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受診時定額負担 断固阻止に向けて【京都府医師会長:森 洋一】
 7月1日に「社会保障・税一体改革成案」(以下,成案)が閣議報告されたことはご承知のとおりであります。その背景や詳細については,京都医報10 月1日号の松井理事の「理事解説」に詳しく掲載されています。成案の中で,いくつか問題のある箇所があります。消費税引き上げそのものが社会保障の充実にすべて使われるものではないということを国民にもう少しわかりやすく解説することも,我々の責務であり,この点については,後日,詳細に解説していきたいと思います。今回の成案の中での最大の問題は,「受診時定額負担制」であります。私も,地区医との懇談会をはじめ,あらゆる機会に申し上げておりますし,安達副会長も講演やインタビューで発言しておりますが,断固阻止しなければならない暴挙と言わざるをえません。

 長期療養患者の高額療養費の見直しを進めるとして,高額療養費の自己負担上限額の引き下げを図るということについて,医療関係者は反対することができないことを担保に取り,本来であれば,上限引き下げに必要な財源を保険料か公費に求めるべきですが,すでに前回,保険者側からは拒否されていることから,今回はワンコインなどと言葉を弄してはいますが,あきらかに診療側の堅持する皆保険制度の牙城を根底から崩壊させる目論みで提案していることは間違いありません。これは、平成18 年6月の健康保険法等の一部を改正する法律案附帯決議において,患者負担をこれ以上増加させないとしてきたことに抵触します。小泉内閣でさえ踏み込めなかった軽医療費免責制をその懐に忍ばせての「受診時定額負担」は徹底的に阻止しなければなりません。

 そもそも,高額療養費の上限を超えた部分は,保険料で支払われてきたものでありますが,今回は,その上限の引き下げ分を保険料でも,公費でもなく,弱者である患者に受診時100 円を負担させようという「人にやさしい政治」「コンクリートから人へ」という政治を目指す政党とも思えない政策です。患者は弱い立場にあり,特に高齢者は疾病も多く,受診機会は自ずと多くなります。このような弱者とも言える方々に受診のたびに負担を求めようということは許されるものではありません。そのうえ,高額療養費の自己負担上限額引き下げの「受診時定額負担」による財源規模は、100 円× 20 億回= 2,000 億円と,さらに長瀬効果(受診時支払いの増加による受診抑制効果)として患者負担分と同額の2,000 億円の受診抑制(医療費削減)をあわせて4,000億円とされています。この「受診時定額負担」は、明らかに軽医療費免責制そのものです。小泉政権下でも導入できなかったこの軽医療費免責制の問題点は受診抑制です。免責制を一旦導入されると,高齢者などの早期受診が阻害され,我が国の平均寿命を延ばしてきた早期受診・早期治療が困難となり,重症化ひいては生死に大きな影響を及ぼすことは確実です。さらに,将来的にこれが100円で留まる保証はなく,高額になればなるほど受診抑制は拡大します。また,軽医療費免責制の導入は,一方で先進医療への混合診療導入につながり,医療保険制度が形骸化し,命の沙汰も金次第,金持ちだけが先進医療を受けることのできる最悪の状況になると考えられます。

 このような,最悪の政策は,国民の健康と生命を守る医師の集団である医師会が先頭を切って断固阻止しなければなりません。日医も反対の姿勢を明言し,国民医療推進協議会でも反対の決議を採択していますし,国民運動を提唱しております。しかしながら,その活動については,それぞれ都道府県に任せるという姿勢に終始し,全国での大きなうねりを創ろうという姿勢が感じられません。近医連でも,今,行動を始めないと,遅きに失するおそれがあるとの認識があり,少しでも早く国民を巻き込んだ行動に出るべきとの認識で一致しています。そこで,府医では,10 月15 日に開催される「第185 回 府医定時代議員会」で,迅速な行動に取組めるようご了解を得て,緊急対応に取組みたいと考えており,会員各位のご理解をいただきたく存じます。

 すべての府医会員の総意で,「受診時定額負担」を断固阻止しようではありませんか‼


| ご意見 (0) | 2011.10.15, Saturday 09:41 AM |



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