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「目覚めるときは今!!」【京都府医師会長:森 洋一】
目覚めるときは今!!


京都府医師会長 森 洋一

 7月に、安倍政権最大の目標である集団的自衛権の解釈の変更が閣議決定された。まさに、我が国がこれから大きく変わるターニングポイントとなる決定である。会員各位には、この決定についてそれぞれご意見をお持ちであり、賛否種々あろうと思うが、ここでは、防衛、外交問題について述べることはしない。課題は、強大な政権基盤を持つ政府が誕生したときの、今後の政治、社会のあり方である。従来より、我が国は、社会風土上か国民性かは、これも議論があるであろうが、客観的な評価と批判、議論が出来ない国民であるという現実である。近年、その傾向が著しいように思われ、我が国の将来に暗雲が垂れ込めているように思われてならない。
 国会での議論も然りである。意見を正面から取り上げようとしない。与党側は、官僚の準備した、回りくどく揚げ足をとられない不明瞭な説明に終始するだけである。野党も、かつては、かなり資料を収集し、検討を重ねた鋭い質問があったが、最近はパネルばかりが目立ち、追求ポイントが甘い。あげくに、最近は、品性のない女性蔑視のヤジばかりが取り上げられて、議会がそもそも何のためにあるのかが忘れ去られている。現在のような、内閣主導で政権与党の意見さえ十分反映できない状況では、与党からわかりやすい説明を求める質問があっても良いように思うが、与党からは、内閣に阿るような質問ばかりで、時間の浪費ではないかと思われることもしばしば見られる。そもそも、与党内から批判をしない、させないということ自体が強権的であり、民主主義の根幹から外れているといわざるを得ない。今回のヤジ騒動を見ていても、誰が言ったかはその場にいれば誰でも分かることであり、党として自浄作用を発揮すべきは政治家としての務めであるはずだが、人身御供を差し出して幕引きをはかるなど、とても、普段から、選挙民や子ども達にいじめはいけない、嘘をついてはいけない、人の痛みを知らなければなどといいながら選挙戦を戦ってきた政治家とはいえないのではないだろうか。
 我が国の将来の課題として、確かに外交や防衛、経済は大変大きな問題である。しかしながら、現在、最優先されるべきは、少子化対策である。何のために、経済を発展させ、外交を防衛を強化するというのか。我が国を、日本という国を守っていくためであろう。その国が、現状の少子化が進めば人口減少から社会全体が壊滅状態に陥るのである。そうならないように、社会保障を充実させるためには経済発展が必要と国の中枢を握る経済学者はいう。しかしながら、世界全体が発展している現状、日本だけが、欧米だけが更に利潤を追求して一人勝ちは出来ない世界に入ってきているのは自明である。経済対策、高齢者対策は見えやすく、短期間でも結果が出やすいものである。一方で、少子化対策は短期間では成果が見えにくいものであり、中長期的な施策を連続的に実施していかなければならないのものである。フランスの出生率の改善には、100年という歳月がかかっている。少子化対策には、与党も野党もない、全国民が、全政治家が心を一つにして取り組まなければならないものである。そこには市場原理主義の経済学者のつけいる余地を与えてはならない。何故か、それは、彼等が我が国の国民と文化をより長く発展させようという意志、前提を持たず、全ては経済効率が高いこと=稼ぐ力の獲得が善であり、そのために何をなすべきかという議論しかないからである。人を愛し、他者を思いやり、絆を持って社会を築き上げる。そこには、人としての権利と義務が老若男女を問わず平等に確保されているそんな社会の構築が求められるべきものである。全ての政治家に、国民にその気持ちさえあれば、あのような発言が出るはずもなく、何でも儲けに結びつけるような施策を取り入れることもないであろう。医療を始めとする社会保障は、空気や水のように常にそこにあるものではない。国民全ての合意のもとに守っていかなければならないものである。消費税増税の財源だけでは、皆保険制度を守ることは大変困難である。そろそろ、人任せは止めて目覚めるときにいたっているのではないか。国民の、医療者の意識改革が求められている。


| ご意見 (0) | 2014.08.18, Monday 09:30 AM |



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