平成15年10月6日、京都府医師会館において第3回医療安全対策委員会が開催された。前回の第2回の委員会に引き続き事例検討による活発な意見交換が行われた。今回は特に65事例の内「一部負担金」「混合診療」の9事例の問題を取り上げ議論がすすめられた。
「一部負担金」については、診療明細の必要性の観点から多くの意見があった。
例えば、
・電子カルテを導入し診療明細を渡しても、今の保険制度ではかえって分かりにくい部分がある
・透明性の観点からぜひ診療明細は必要である
・医師と患者の良好な信頼関係があれば診療明細は不必要である
といった意見があった。実際の体験をまじえて積極的なディスカッションが交わされた。
また「混合医療」では現在は産婦人科と歯科にしか認められていないが、
・今の保険の守備範囲が狭くなる事が問題で、「現行の保険制度にプラスする」という視点を忘れてはいけないといった意見
・現実の治療で問題になっている事例
等が話された。
日本の医療制度は大きく捉えると世界的に「医療費・医療レベル・自由な医療機関の選択性」という視点からみても誇れるものである。さらに身近な問題から議論を積み重ね知恵を出しあって、より良い医療制度を作り上げていかなければならないことで意見が一致した。
次に「医療安全講習会」については、特に今までの講演会で講演する弁護士は医療機関の立場を弁護する方の場合が多かったが、患者側の代理人として訴訟経験の多い弁護士に講演をお願いするのも、また違った視点で意見を聞く事が出来、医療安全につながるのではないかという意見があった。講師の選定、また一般の方の参加についても、今回の出た意見を踏まえて開催に向けすすめていくことで了承を得た。 |