京都府医師会では平成16年6月14日、京都府医師会館において 第1回の医療安全対策委員会を開催した(前期は第7回まで開催)。構成メンバーは各専門医会の委員、病院関係委員、京都府看護協会、京都府薬剤師会、市民団体、弁護士の総勢26名で活発な意見交換を行った。
開会に続いて油谷京都府医師会会長が挨拶にたち、医療に今求められているのは「医療に対する信頼の回復」であり、医師会としてぜひ実現していきたい。さらに最近の医療裁判件数は平成15年で987件とここ10年で約倍増していることを報告、これは「医療技術の高度化」「患者サイドの安全に対する意識の高まり」が背景にあると考えられると指摘した。
また昨年12月には厚生労働省から「人」「施設」「もの」の3つの点で医療安全に対しての改善が求められたが、このうち「施設」「もの」は物理的なものとして比較的早期の改善が得られるが、「人」についての安全対策が一番難しく、これには医療を受ける側の納得のある医療の実現が不可欠であると述べた。その上で今年の2月28日に京都府医師会としてはじめて開催した「医療安全シンポジウム」は、参加いただいた方には非常に好評であり、これが医療安全に対する解決の糸口になったと考えていることが述べられた。結びに委員の方々には、医療に対する信頼を回復にむけて積極的な意見をお願いすると締めくくられた。
今期の医療安全対策委員会の進め方
今期の医療安全対策委員会は、医療安全を具体的に推進するために、(1)委員会を2つのグループに分け、各々の小委員会でテーマを検討して全体会議を開催する (2)委員長1名と副委員長2名体制とすることが提案され承認された。そして“全体の統括として山木委員長”“府民・市民向け=小委員会Aに山内副委員長”“会員向け=小委員会Bに橋本副委員長”が選任された。続いて各委員のA・B委員会の担当が発表され承認された。京都医療ひろばの奥田委員は小委員会A、また弁護士の山村委員は小委員会Bに参画いただくことになった。
テーマの選定については、それぞれの委員会で具体化していくことになるが、山内副委員長からは、「今後の医療安全シンポジウムの開催について」「医療相談窓口のあり方の検討」等について検討をしていきたい。橋本副委員長からは、「会員への研修」「自浄作用」等について短期で考えること、そして中長期的で取組まないといけないことを分けて考えたいと述べられた。また意見交換の中で、先般の医療安全シンポジウムで奥田委員から提案のあった、「薬の副作用カードの実施」について、各専門医会での現状の発表や問題点について議論がなされた。
次回より各委員は担当の委員会に出席することになるが、テーマにより希望があれば別の小委員会にも出席し意見交換に参画することとなった。
最後に立入副会長より信頼回復のために今後も委員の活発な意見を期待する。合わせて、医療安全に対して無関心な会員に対しても「関心を持ってもらう方策」を実行して欲しいと述べられ、第1回の医療安全対策委員会を終了した。 |