平成19年1月15日、京都府医師会館において 第4回の医療安全対策委員会が開催された。山木委員長よりパネリスト(尾古氏、古瀬氏、片桐氏、澤委員)・委員長・副委員長・府医理事で、シンポジウムの打合せ会を行なったことを報告された。シンポジウムではCOMLの辻本理事長が配布したパワーポイントの資料の内容で基調講演され、その後休憩を入れてパネルディスカッションに移るが、最初にパネラーの方に5分ずつ基調講演の感想を含め自己紹介をしていただくことになった。京都新聞の尾古氏は、元々臓器移植問題の取材をしたのをきっかけに医療に対して関心を持ち、臓器移植問題でもインフォームド・コンセントを問題にされていた経緯を報告。こちらからは、医療を取上げる現在のマスコミの姿勢も質問させて欲しいとの希望を伝えたことが説明された。また、医療安全管理者の古瀬氏(看護師)は、院内でインシデント報告を集めて分析をされているのでその内容を話してもらい、片桐氏(薬剤師)は、院内の患者さんのトラブルについて、直接患者さんの話を聞くなどキーパーソンとしての動きをしていることから、医師に話せないことも色々と聞かれていることを話していただくことになったと報告。とりわけ薬剤に関してはトラブルが増えてきているので、活動内容を話してもらいたいと考えていることが報告された。澤委員からは、(1)患者さんとの会話においての話し方、(2)インフォームド・コンセントは、患者さんのチョイスも考えないといけない点、(3)患者さんのチョイスには医師としての誘導ではなく支援も必要な点を話したいと述べられた。
質疑応答に関しては、毎年直接シンポジウムの内容に関係しないことを話される出席者がいて困るが、今回は質疑応答の時間を4時から始めると明確に示し、質問者は3分間を目処にしていきたいと説明され、打合せ会で決まったシンポジウムの進行の方向性について承認された。
次に、医療安全講演会について3月11日の平成18年度の開催内容について報告された。前回の委員会で平成19年度の医療安全講演会は、上半期に開催することが決まっていたが、具体的な開催日程を検討を行い6月30日(土)に開催することが決定した。
講演内容のテーマに関して山木委員長より委員に意見が求められ、
(1)開業医向けに各専門医会から、「診察時にこれだけは見逃(誤診)して欲しくない具体的な症例」について。
(2)「医療関連死の調査にかかるモデル事業の現状」・「異常死の届出義務(刑事事件との関係)」について。
(3)ADR法や、国が検討をはじめている医療事故原因究明に関しての第三者機関について。
(4)紛争予防、コンフリクトマネジメントについて。
(5)医療裁判からみた初期対応のまずい事例について。
の意見があった。協議の結果、5つのテーマについてアンケートでさらに委員に意見を聞き、次回の委員会で引続き検討をしていくことになった。
齋藤副委員長からは、医療にとって医療者と患者さんは共同作業として手を携えていくことが必要である。医療安全文化を提唱してきたのは、訴えないと損するかの様な現在の風潮を変えたい思いがあってであると述べられた。
最後に、山木委員長が「医療安全シンポジウム」「医療安全講演会」への委員の出席を要請され締めくくられた。次回の医療安全対策委員会は、4月9日に開催となった。 |