平成20年3月10日、京都府医師会館において第9回医療安全対策委員会が開催された。
山木委員長から、2月23日の第5回医療安全シンポジウムは、280名が参加、そのうち医療関係者は約80名であった。全体としてアンケート結果をみても概ね成功であったと報告された。
昭和大学 有賀教授は、基調講演で救急医療の現状を述べられ、最後に「医療安全の為には患者と医療者の協働作業」が必要であると説明された。今医療者側から一般の府民・市民の方に一番伝えたいことを言ってもらうことが出来た。舞鶴医療センター 平野院長は地域医療の現状について説明があった。京都市消防局 奥田部長は京都市消防局の現状を数字で報告されたが、アンケート結果にもあった様に現場の消防士の声をもう少し説明して欲しかった。京都府保健福祉部 松村室長は行政の医師不足対策等を説明された。
また翌日の京都新聞・朝日新聞にシンポジウム記事が掲載されたことを紹介され、この委員会の取組みが広報出来良かったと報告された。
齋藤副委員長は、元々医療安全シンポジウムは患者と医療者がお互いに歩み寄り、新しい医療安全文化を目指して行こうと始めたもので、今回のシンポジウムの結論としては、「県立柏原病院の小児科を守る会」の3つのスローガン、1.コンビニ受診を控えよう 2.かかりつけ医を持とう 3.お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう を結論にしたかった。質疑応答で公立南丹病院の医師が勤務医の実情について訴えられていたが、参加された皆さんも医師が疲労してしまうと、結局は患者側が満足な診療が受けられなくなることを、分かってもらえたのではないかと報告された。
次に山木委員長より2年間の医療安全対策委員会の総括として各委員に今後の課題を含め意見を求められた。
各委員からは、
・最高裁判所での医療裁判の判例について、法律用語が難しく理解しにくいので、地裁の裁判官を講師に招き説明を受ける機会をもうけたらどうか。医療者側も今後訴えられた場合、日常の診療で説明義務にしてもどの様なことを注意して診察に携われば良いかもっと勉強が必要である。
・刑事事件で立件される手続きに関して教えてもらいたい。
・ターミナル医療においての医療費の問題。ジェネリック医薬品に関して、今後薬局で切り替えることが出来る様になるが、予期せぬ副作用が出た場合の責任の所在等について取上げて欲しい。
・医師の説明義務も医療裁判においては問われることは多くなっているが、説明義務に対しての報酬については何の議論もされていない。
・「診療行為に係る死因究明制度」の制度化に関して取上げて欲しい。
等々の意見があった。
最後に山木委員長より、意見があった内容は引続き次期委員会でも検討し、医療安全に向けての啓蒙活動に役立てていきたいと述べられた。そして次回第6回医療安全シンポジウムは平成21年2月21日に開催を予定している。次期の委員会メンバーにより良いシンポジウムが開催出来るように知恵を絞っていただきたいと締めくくられた。 |