平成20年11月18日、京都府医師会館において 第4回の医療安全対策委員会が開催された。
最初に橋本理事から11月15日、16日千葉県で開催された十四大都市医師会連絡協議会の報告があった。
続いて協議に入り、服部弁護士から裁判事例として「気管支拡張剤の投与を受けた気管支喘息の患者に不整脈等の心臓疾患が増悪した場合、医師の薬剤処方について不適切な点はないとしたが、薬剤の副作用についての説明義務違反があったとして、病院側の債務不履行責任が認められた事例」の説明があった。医師は気管支喘息に対してテオドールを処方し、不整脈の副作用があることを説明しなかった。裁判では説明の有無について争われたが、裁判所は原告が説明を受けていないとの主張を信用し、医師の本人尋問の結果でも、医師が初診時に原告に対し副作用の説明をしなかったと認め、説明義務違反があったとして慰謝料100万円の判決となった。
服部弁護士は、医師が後になって説明義務違反を問われないようにするためには、説明内容をカルテ記載する必要がある。橋本理事からは、カルテ記載が不足していると、訴訟になった場合不利になることは分かるが、全ての薬において副作用を説明したことのカルテへの記載は日常診察の中では難しいと意見を述べられた。しかし服部弁護士からは、今の裁判所はこの様な考えをするとの見解が示された。齋藤委員長からは、この判決は医療側からすると受入れられるものではない。医師と患者関係がおかしくなってきている世の中であるから、この様な裁判が起こってくると述べられた。
続いて齋藤委員長から「第6回医療安全シンポジウム」に関して、次の通りパネリストが決定したと説明があり、シンポジウムの内容について意見を求められた。
平成21年2月21日(土)京都テルサ・テルサホール 14時〜16時30分
テーマ:医療の「崩壊と信頼回復」〜協働作業としての医療を考える〜
◎講演・パネルディスカッション
・木ア 善郎 氏 (京都第一赤十字病院 小児科 部長)
・坂口 美佐 氏 (滋賀医科大学附属病院 医療安全管理部 講師)
・三嶋 明子 氏 (京都桂病院 医療安全管理室 室長)
・足立 智和 氏 (丹波新聞社 編集部 記者)
最初に各人10分〜15分 講演をいただく ◇座長:齋藤 信雄 氏 、山内 知 氏
パネリストである木ア委員からは、シンポジウムの冒頭に共通認識を持つため、この様な問題によって医療崩壊が起こっている現状をまとめて話しをすれば、参加いただいている皆さんに分かり易いとの意見が出された。岩ア理事からは質疑応答は例年30分程度であるが、もう少し府民・市民の声を聞く時間を増やしても良いのではないかと提案された。
今後具体的にパネリストに話してもらう内容と進行案を検討し、次回委員会で報告することになった。次回の医療安全対策委員会は、平成21年1月20日(火)の開催。
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