平成22年3月16日、京都府医師会館において第14回医療安全対策委員会が開催された。
第7回医療安全シンポジウムのアンケート結果について報告した。参加者は約210名(医療関係者150名)であった。また初参加の方が80名おられた。齋藤委員長は、全体としてアンケート結果をみても概ね成功であり、今回のシンポジウムは医療メディエターについての内容であったので、医療関係者の参加が増えたことは狙い通りであった。しかし府民・市民の方の参加が少なくなったことが今後の課題となった。また例年に比べ参加者の年齢は低かったと報告した。医療安全は、患者と医療者が共に協働作業で取り組まないといけないので、来年度も府民・市民と医療者が一緒になり医療の安全を考えられる内容で開催していきたいと述べた。
次に自浄作用について協議した。
橋本理事から医師会が実行可能な自律機能・自浄機能を紹介した。
「自律作用」として、@生涯教育のあり方 A標榜科目に対する研修の必須化 B医師免許の更新制度。「自浄作用」として、@医療事故・医療過誤に対する医師会としてのペナルティー A診療報酬の不正・不当請求に対する医師会としてのペナルティーについて説明し、これらは、医師会に事故・事件に対する予防策(自律作用)や対応策(自浄作用)を講じることはできないものなのか、考えたものであると述べた。
齋藤委員長は、平成16年度におこなった「医療安全に関するアンケート調査」を紹介され、現在の会員の意識変化がどうであるか知りたいとこであると報告された。
○保険医療機関として診療科の標榜科目を掲げるには一定のルールづくりが必要である 【はい 90% いいえ7% 空欄3%】
○医師会としての会員への自浄作用は必要である 【はい 90% いいえ7% 空欄3%】
○医師免許の更新制は必要である 【はい 44% いいえ50% 空欄6%】
各委員からは、
・生涯教育に参加しない医師の対応を考えるべきである。
・生涯教育を目に見える形でアピールした方が良い。生涯教育を受けていくメリットを分かり易く説明し、受講するきっかけづくりが
必要である。
・専門医を更新するため勉強はしている。生涯教育において、医療安全や医療倫理の内容であれば受講は必要であるが、専門外
の内容に関しては受講しにくい面がある。
・医師会員になるメリットは何かもっと考えていく必要がある。「京都府医師会会員」でることを証明できるプレート等を作成すべき。
・医師会に加入していることが、医師の質を保証していることになることが大切である。
・自律作用・自浄作用についてはいかに実効性を持たせるのかが重要である。例えば無過失補償制度を創設し講習等を受け医療
の質を担保している医師だけを加入させることで、実効性が出てくると考える。
等の意見があった。
最後に齋藤委員長より、医療安全調査制度等のあり方に関する検討委員会での答申「医療安全調査制度等のあるべき姿」において、今後の医療安全・医師会の自浄作用に関して報告しているので、読んでいただきたいと締めくくった。
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