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「今、意識改革の時」【京都府医師会長:森 洋一】
今、意識改革の時

京都府医師会長 森 洋一

 今夏の参議院選挙は、自公政権圧勝、日医の現職羽生田副会長の当選で、熱い選挙戦が終了いたしました。ただ、野党の自滅とはいえ、政権与党に相対する健全な野党が消滅寸前という政治状況が我が国の将来に暗い陰を投影してくるのではないかという危惧が杞憂で終わる事を祈るばかりです。昨年の衆議院選挙の圧勝で政権を奪取した自民党安倍首相は、デフレ脱却をスローガンに経済対策を打ち出し、長年低迷していた我が国の社会、経済の暗い雰囲気を大きく転換させた事は大いに評価すべきでしょう。確かに、インフレターゲットを設定し、財政出動を強化した金融政策は一定の成果を上げてはおりますが、順調に経済が回復し、国民にその恩恵が及ぶにはまだまだ時間が必要です。また、経済が回復基調にある事で来年4月からの消費税増税への条件は整っていますが、漸くよたよたと経済が回復してきた時点での消費税増税は、景気回復の腰を折ってしまう事で再び経済の停滞を招く恐れもあります。まだまだ、一寸先は闇の状態が続くものと思わざるを得ません。
 また、8月には、社会保障制度改革国民会議の答申が大詰めを迎えております。3年半前に「政権交代」をスローガンに、民主党がまさに政権交代を実現いたしました。残念ながら、「聖域なき改革」が自己目的化して格差社会を拡大した小泉政権と同様に、政権交代が自己目的化して3年4ヶ月で終焉を迎えた民主党政権。当初は、一時期を除き長らく我が国を統治してきた自民党一党による55年体制とそれに続く自公政権による、政官財一体となる馴れ合いの政治体制を大きく変えてくれるのではという大きな期待を抱かせました。しかしながら、長らく続いた55年体制は、政策議論を展開して我が国をどのような国にしていくのかという国のあるべき姿を提示できる政治家、政党を育ててこなかった、否、国民が育てようとしてこなかったことが明白なりました。小選挙区が政治家を小粒にした、政策議論を出来なくしてきたという声もありますが、見返りを求めたり、柵で国会議員を選出することが多く、日本という国の将来をどうするのか、世界のリーダーと渡り合える外交能力を持った政治家、国家観、世界観を持ち国民に提示できる政治家を育ててこなかった国民に、今大きな付けが巡ってきたと言わざるを得ません。
 膨張一途の財政赤字、経済の低迷から社会保障費が支えきれなくなってきています。国民の生活も一向に改善してこない、いや悪化してきているという現実に漸く国民は気づいてきており、一定程度の負担増はやむなしという思いに至ってきていますが、政治家、官僚には、まだ口で言うほど自ら血を流してまで、国民の生活を改善し、豊かな生活、安心な社会保障を提供しようという思いに至らず、国民の現実の生活感と政治家との距離は果てしなく遠いといえましょう。自分たちを選出してくれた選挙民に利益を還元する事で次回の選挙に生存をかける事に終始する政治家が我が国の将来に希望を与えてくれることはありません。官僚も然り、省益を損なう民主党政権には徹底抗戦、政策の隅々に省益を鏤め権力維持には抜かり無きよう策を弄してきたが、従来の権力構造を維持する自公政権に蜜月状態には逆戻りし始めています。財政規律、財政健全化を訴えてはいますが、現場を知らない官僚にどこまで国民の悲痛な叫びが届くのか、痒いところに手が届くようなきめ細やかな施策が求められています。
 では、どうするのか、何か素晴らしい方策はあるのか?数年で経済が、社会が劇的に良くなる術はないと言わざるを得ませんが、このままでは、将来世代に重い付けだけを残してしまう事になります。今、なすべきことは、国民一人一人が自立し、我が国の将来に思いをはせて、自らの声で発信していくという社会の原点に回帰するしか方策はありません。SNS上での匿名で無責任な発言をして、溜飲を下げ自己満足に陥るのではなく、実名で堂々と議論を展開する。自らの地位を利用して相手方を罵るような政治ではなく、人の意見に耳を傾け、誰でもが発言できる社会に成長しなければ我が国に明日はありません。
 その手助けが出来るのは、我々医療者しかないのではないでしょうか。国民の健康と生命を守るという大きな使命を担い、社会に大きな影響力を持つ医療者が、国民の目線にたち、医療者の責務として、故来からの言葉にもあるように、国民の病を治すとともに、国民の生活基盤である、社会、国家を癒す責務があると思います。国民の健康長寿、健全な精神を守る事が国を守り育てる第一歩ですが、日本が、国民が、少子高齢化した我が国のみならず、世界がいずれは通らなければならない成熟社会の行き着く先のあり方を世界に示す事の出来る国作りを目指していかなければならないと思います。
まさに医療のあり方が、医師の医政における活動のあり方が、国家の健全な発育の原点であると思います。全ての会員が、医療の、医師会活動の原点に立ち戻って、医師会活動、医療政策作りに全力をあげられる、そのような医師会活動に再構築していくべきだと考えます。


| ご意見 (0) | 2013.08.07, Wednesday 10:00 AM |



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