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事務局からの連絡

保険医療部より

会長就任のご挨拶 4月15日 会長 森 洋一

 謹んで就任のご挨拶を申しあげます。
 今, わが国のみならず, 世界は大きな変革の時を迎えています。米国中心のグローバルスタンダードと称する市場原理主義が世界を席巻する一方, EUの拡大や中国, インドが著明な経済拡大を示すなど新たな勢力を形成し経済の世界地図は大きく変化しようとしております。このような状況下において, 小泉首相は,01年の政権獲得以来, 米国への追随を最優先とする米国との二国間協議を中心とする施策を「構造改革」と称して強行し, 本来聖域であるべき「教育」や「社会保障」にまで市場主義を導入してきました。その結果として経済も漸く上向いてきたようですが, 社会では, 凶悪事件が頻発し, 子どもを巻き込む事件が多発,企業や行政のモラルハザードの低下は目に余るものがあります。日本の良さは, 謙譲の精神であり, 礼節を尊重する姿勢であります。自尊心と文化や教養を学ぶ素直な日本人の心は果たしてどこへ行ってしまったのかと思われる危機的な状況にあります。
 小泉政権と経済財政諮問会議は, 医療費の高騰がわが国の経済危機を招いているかのような将来予測で危機感を煽り, 患者負担増を強行し, 米国の保険会社の市場参入, 株式会社の医療への参入, 混合診療の導入をはかるなど, 世界に誇るわが国の医療制度を崩壊の危機に陥れております。しかしながら, わが国の国民は, そのような状況を容認するかのように, 小泉首相を支持しつづけてきました。世界中で医療費増が問題となっておりますが, 我々は, 国民の生命と健康を守る学術団体として真に国民の目線に立った高い水準と効果的な医療を提供すべく, 欧米の医療から学ぶべき所は学んだ上で日本人らしさを取り入れたわが国独自の医療制度を構築し世界に発信すべきと思います。わが国の医療制度は, 低い技術料にもかかわらず, 医師を初めとする医療従事者の献身的な努力で現在まで発展してまいりましたが, 献身的な努力にも限界があります。最近は,医療機関, 医療従事者の偏在も大きな問題となっており,過疎地においても水準以上の医療が提供できるように, 政策医療としての公費の投入や医療提供体制の構築も必要です。そのためには, 何をなすべきか? 国民が医療に求めているものを真摯に受け止め国民の立場に立った医療は何かということを国民も政治家も, 真剣に考えるときに来ていると思います。
 政治や権力にすり寄ることでは, 決してわが国の医療制度を発展させることは出来ません。医療機関が運営できないようでは, よりよい医療制度を維持することは不可能ですから診療報酬はマイナス改定よりプラスの方が良いに決まっています。しかし, 本当に必要な人たちに必要な医療を提供したいという我々の医師としての使命感にもとづく医療制度の構築を国民に訴え続け, 多くの人たちが医療に必要なものは何かということに気づくように働きかけ, 国民の多くがそういうことに気づいたときに初めて日本の医療制度が変わると思います。
 今多くの課題が山積しておりますが, 国民に開かれた医師会として活動を続け, 国民の信頼を勝ち取る事によってのみ解決への道が開かれるのではないでしょうか。医政活動は, 我々の理想を実現するためには必要なことではありますが, 国民に圧力団体と見られたり, 政権や政治家との関わりが利益誘導と見られるようでは, 国民の信頼も支持も得られません。
 京都府医師会は, 府・市民に開かれた医師会としての活動を継続発展させるとともに,府・市民の健康と生命を守るための情報発信や活動の拠点としての新会館建設にも取り組んでまいります。
 厳しい社会状況, 医療環境下での, 新執行部のスタートとなります。厳しい状況下とはいえ, 受け身の姿勢では小泉政権に対抗する術はないと思います。執行部一丸となって難局に取り組んでまいりますので, 会員諸氏の積極的なご支援, ご指導, ご鞭撻を心よりお願い申しあげます。
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