平成18年11月13日、京都府医師会館において第3回の医療安全対策委員会が開催された。最初に第4回医療安全シンポジウムの開催並びに進行に関して検討、大藪理事から第4回医療安全シンポジウムの開催案について報告された。
◎「第4回医療安全シンポジウム 患者と医者のコミュニケーション」
〜インフォームド・コンセントは信頼への架け橋〜
日 時:平成19年2月24日(土)午後2時〜4時30分
場 所:京都テルサ・テルサホール
I.基調講演45分 「かしこい医療へのかかり方」(仮)
・辻本 好子氏(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML 理事長)
II.パネルディスカッション
「インフォームド・コンセントは信頼への架け橋」をテーマにしてパネルディスカッション
・辻本 好子氏 (COML 理事長)
・高山 良雄氏 (京都新聞)・・・・・変更の可能性あり
・古瀬 佳代氏 (京都府立医科大学附属病院 医療安全管理者 看護師)
・片桐 秀樹氏 (京都市立病院 医療安全管理者 薬剤師)
・澤 美彦氏 (医師)
座長 山木 垂水 氏 齋藤 信雄 氏
山木委員長よりこの医療安全シンポジウムは、新しい医療安全文化を目指して開始した。そこで今回は患者側の視点を重視し、COMLの辻本理事長に基調講演をお願いした。講演ではインフォームド・コンセントに関しても話してもらいたいと考えている。基調講演を聞いた後パネルディスカッションとなるが、今回のパネラーには2 つの病院の医療安全管理者に入ってもらっている。医療安全管理者は直接的にはインフォームド・コンセントには関係しておらず、インフォームド・コンセントに関して上手くコメントをしてもらえるかの問題があり、纏めていくのが難しいと考えている。お互いの立場でディスカッションが上手く進行できればと考えるが、各委員の忌憚のない意見を聞かせて欲しいと意見を求められた。
各委員からは、
・インフォームド・コンセントに絞ってパネルディスカッションを進めていくと、医療安全管理者(看護師・薬剤師)は、病院での医療安全の取組みは紹介出来ても、医師と患者の間のインフォームド・コンセントについてはコメントしにくいと考えられる。事前によく話す内容も決めておかないと、パネルディスカッションの焦点がボケる恐れがある。
・最近裁判になれば20%〜 30%は説明義務違反となっている。インフォームド・コンセントに関して、医師の中でもはっきりと理解されていないことも見受けられる。インフォームド・コンセントについて取上げるのであれば、まずインフォームド・コンセントの定義をはっきり述べることが必要である。
・このシンポジウムに来てもらった府民・市民の方に何を理解して帰ってもらうのかを明確にし、開催する必要がある。今回来ていただいた府民・市民の方にはインフォームド・コンセントを理解してもらい、患者さんにも医療に参加することの重要さを分かってもらうことが大切である。
・パネルディスカッションのテーマを「インフォームド・コンセントは信頼への架け橋」としているが、インフォームド・コンセントのみのディスカッションにこだわらず、メインタイトルである患者と医者のコミュニケーションと捉えれば、ジャーナリスト・医療安全管理者ともに話しやすくなる。
・ジャーナリストの立場からは、マスコミとして医療安全をどの様に理解しているか。また医療事故の報道はあるが、医療安全の報道はあまりなされていないことを踏まえ、医療安全に対してのスタンスを聞いても良い。
等々の意見があった。
検討の結果、インフォームド・コンセントの定義については、辻本氏の基調講演の中で話してもらい、パネルディスカッションのタイトル表記はせずに幅広い観点でディスカッションを進めていくことになった。
続いて医療安全講演会の開催案について山木委員長より報告があり承認された。山木委員長から講演会に関して医療安全シンポジウムと開催日程が近い為、来年度は医療安全講演会を上半期に開催していきたいと報告され、講演者は次の委員会以降で決めていく事になった。
◎「平成18年度 医療安全講演会」
日 時: 平成19年3月10日(土)午後2時30分〜4時30分
場 所: 京都リサーチパーク ルーム1 (机席+椅子席のみ 約130名)
テーマ: 紛争予防論〜医療事故が起こったとき医師としてなすべき事〜(仮)
講演者: 東京大学大学院医学系研究科 助教授 前田 正一 氏
次回の医療安全対策委員会は、12月を休会とし第4回医療安全対策委員会を1月15日(月)に開催する。2月・3月の委員会は休会とし、医療安全シンポジウム及び医療安全講演会に参加していただくよう依頼した。 |